これは去年の夏の話ですが本マグロを1匹まるごと購入し、フルコースで堪能しました。 いつもの様に町内の男性陣が集まって何かやろうか。と言う話になり、ネタを探していると港でマグロが100本位あがったとの情報が・・・ 『よっしゃー!』と言う事で仲間の漁師が顔を利かせて丸ごと一匹、格安で買い付けてきた。体長:約150cm、重さ:約50kgぐらいだと聞いた。一匹7万5千円なり。本当に、我が町内の男達は頼りがいがあり、私はこの町内に生まれて本当に美味しい思いをしている。
ご存知の様に本マグロと言うのは回遊魚であり、春先は南の方にいたものが群を作って北上し、だいたい夏は本州の中間あたり、もう少し経って冬になると青森県と北海道の間あたりに集まります。ここら辺のが大きくて最高級品とされ、大間港産ブランドが有名です。
我が街には巻網船の漁港があり、一年を通して色んな魚が捕れるんです。マグロは丁度夏の盛りあたりに巻網船で捕れます。特別に大きくも無く、だいたい群で100本・200本と捕れるので以外と安いんです。
ここらではマグロは、10kg前後をメジ→50kg前後をチュウボウ→それ以上のを本マグロと呼んでいます。今回のはプックリと太ったチュウボウにあたります。本マグロ程ではありませんが大人一人ほどもあり、立派なマグロです。マグロは捕ってすぐ食べても美味しくありません。肉の様に熟成期間が必要です。このマグロを一旦市場の冷蔵庫で保管・熟成してフルコースの決行は次の日曜日と言う事になりました。
当日までには時間があったので噂が広がり、日曜日にはお年寄から子供たちまで100人位の人が集まりました。ワイワイ、ガヤガヤのなか、早速解体ショーの始まりです。と言っても内臓はすでに船内で抜いてあるので後は柵に切り分けるだけです。食堂の親父を中心に、包丁やノコギリを使って頭・トロ・赤身・中落ちと切り分けました。早速グループに分かれて調理開始です。
焚き火をして頭をコンガリと兜焼きにするチーム、柵からひたすら刺身をを切り出すチーム、その刺身を使ってお寿司を握るチーム、その他の余った所を焼くチームと色んな食べ方で集まった人に振舞いました。私は手先が器用なのでお寿司を握る方にまわされたのだが、さすがに2人で100人前を握るのは疲れた〜!
集まった人達に好きなだけお好きな物を食べてもらい、マグロは1時間位の間に100人の胃袋の中にあっと言う間に消えてしまった。最後は皮の裏や中落ちに付いている身をスプーンでこそぎ落として食べました。カマの部分や中落ちの炭火焼きもとても旨かった。
いつもは、男達だけで好き勝手やっているのでたまにはこうやって町内の人達にも楽しんでもらうのもいいかなって思いました。
(お年寄りのおばあちゃんなどは手を合わせて、もういつ死んでもいい、などといっていた。・・・オイ、オイ!)
スーパーのマグロの柵とは違い、中型とはいえ、やはり生の本マグロは本当に美味しかった。
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