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| のん兵衛あつまれ！＞美味しい芋焼酎探索隊Y |
| のん兵衛親父の独り言・・・（蒸留方法による味の違い） | |
蒸留とは醸造酒をさらに純度の高い長持ちするお酒に変える方法で、その方法は簡単に言えば大きなヤカンに醗酵したモロミを入れて火にかける。ヤカンの口から勢い良く噴出した蒸気をパイプの中に通し、そのパイプを外側から冷却すれば、パイプの中に水滴が溜まる。その水滴こそが蒸留酒なのである。 蒸留して出来上がった物は元の醸造酒とは全く別物になります。乱暴な言い方をすれば、ビールを蒸留すればウイスキーになるし、ワインを蒸留すればブランデーになるし、日本酒ならば米焼酎となり、芋のモロミを蒸留すれば芋焼酎となります。 蒸留は、大きく「単式蒸留」と「連続蒸留」の二つに分けられます。「連続蒸留」は連続して何度も蒸留を繰り返す蒸留器を使うので、アルコール度数90度以上のとても純度が高い物を造る事も可能です。ですが、（純度が高い＝不純物の混入が少ない）と言う事なので、もとの醸造酒の味からはどんどん遠ざかって行く事となり、だんだんとアルコールのみの味に近づいて行く事となります。これらの製法で造られた製品は、一般には甲類焼酎と呼ばれており、「JINRO」「樹氷」「純」などがその製品例です。 もう一方の「単式蒸留」は、蒸留を一回きりで終わらせる為、純度はあまり高くなく、その分もとの材料の風味が色濃く残ります。この製法で造られるのが、芋・米・麦・そば焼酎や泡盛などの本格焼酎の事で、一般には乙類焼酎と呼ばれています。 芋焼酎が「単式蒸留」で造られる事はお分かり頂けたと思いますが、実は「単式蒸留」にも2種類の方法があるんです。一方が「減圧蒸留」で、もう一方が「常圧蒸留」です。 「減圧蒸留」は、蒸留器内を真空に近い圧力にして蒸留するので、沸点が低く、40℃位で蒸発し始めます。低温で蒸発するので材料の風味が適度に抑えられ、すっきり、サッパリとした味になる様で、端麗で芋臭さをあまり出したくない焼酎に良く使われます。 もう一方の「常圧蒸留」は、昔からある方法で、特に圧力を変えないで蒸留するので、沸点は100℃近くとなり、もとのモロミの持つ風味や焦げ付いた香りなども色濃く反映されます。 意図的に狙ったり酒蔵の御家事情など色々な理由で焼酎の製造方法は違ってきますが、手に取ってラベルの原材料や製法の部分を見れば、大体の味の想像がつくと言う物です。 〔ラベルの見方〕 黄金千貫・・・芋焼酎の大半がこの芋を使用しています。 紅芋系・・・ フルーティな風味に仕上がる。 甕壺仕込み・・・昔から受け継いだ大きな甕で仕込む。古くて小さな造り酒屋に多い。 （メーカーなどはスチールタンクで大量に仕込む） 熟成・・・大抵はスチールタンクで寝かせる。樽熟成ならば、ウイスキーみたいな香りが付く。 白麹仕込み・・・スッキリと飲み易い味に仕上がる。 黒麹仕込み・・・甘さやコクがはっきりと出るタイプが多いです。 黄麹仕込み・・・フルーティで華やかな風味に仕上がるタイプが多い。 減圧蒸留・・・スッキリ系が多く、芋臭さはあまりしない。 常圧蒸留・・・芋の持つ風味やコクが色濃く出て色々と楽しめる。 |
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さつま島美人 （さつましまびじん） 25度 黄金千貫・白麹仕込み・常圧蒸留 長島研醸有限会社 鹿児島県出水郡長島町平尾387番地 同蔵：黒島美人・だんだん・島美人35度 ←画像をクリックすると詳しい情報が見れます。 |
| 長崎研醸は、鹿児島県の最北端の美しい海と大小18の島々に囲まれた
風光明媚な長島にある。 昭和４２年に宮内酒造、宮の露酒造、長山正巳、 杉本酒造、南州酒造の５酒造場の共同瓶詰め工場として設立された。 その後、昭和６２年２月に現在地に移転し、現在に至る。 「さつま島美人」はこの蔵元の看板銘柄。特産のさつまいもと 豊富な地下水で島内の5つの蔵が仕込んだ焼酎を巧みにブレンドして 出荷している。そのブレンドにこの焼酎の旨さの秘訣があるという。 酒銘は、島(世)の男性にいつまでも愛されるようにとの願いから 命名された。 と、ここまでがどこのネット酒販店にも記されているPR文です。 ------------------------------------------------------------------------- このさつま島美人は、紙パックの物から35度の物まで色々とあり、鹿児島では非常にポピュラーな銘柄だと言う。今回飲んでみたのは1.8Lビンの25度の物で、あのプレミアのM伊と良く似た味との情報を得て購入して見ました。 自社ブランドの焼酎をブレンドした物なら幾度か飲んだ事がありますが、5つもの違った醸造所の物をブレンドするのはおそらくここだけでしょうね！全体で一つの会社とは言え、いわば桶買い状態の物をブレンドする訳でしょ？安定した品質がたもてるのかなあ？ 開封して匂いを嗅ぐと、甘くていい香りがするね！生での一口目はとても軽くてゴクリとすぐに入って行っちゃいました。すかさず試すように2口目を含むと、これもまたサラリと入って行こうとします。どうにも口の中にじっとしていてくれません！まるで自分の舌をテフロン加工したかの様にとにかくサラッサラなんです。 こんなサラサラは今まで経験がない。味が薄いのかと言うとそうではない、口の中にガツンと止まる物や刺激や香りが極力少ないのでしょうね！ 芋臭さや香ばしさはあまりしない、アルコール感も少なく、さらりと飲み込む時にとても優しい甘さを感じます。この甘さはそんなに強くはないが、とても涼やかで優しい甘さです。 一口に甘いと言っても上白糖・グラニュー糖・粉糖・黒糖・和三盆と色々な種類があり、その甘さは微妙に異なります。甘さの感覚で言えば和三盆の甘さととても良く似ています。この焼酎の特長はサラッサラと優しい甘さかな。 ※気になるM伊との比較は、M伊の方がもう少し甘さが強くて香ばしい香りがあり、島美人の方は更にサラッとしていて香ばしさが少ないと言った所かな。香ばしさを省けば両者のサラッとした喉越しや優しい甘さの度合いはとても良く似ていると思います。5つの醸造所の内の一箇所を香ばしい焼酎にしたらM伊の味にもっと似てくるんじゃないかな・・・ さて、戯言はこれ位にして色々と飲んでみました。 ストレートの感想は先述の通りですが、これをさらにチンしてヌル燗にしても甘さや香りが更に沸き立って美味しいです。元々がサラリと飲み易いので、お料理を頂きながらストレートでもクイクイと飲めます。 ロックは、氷のせいで若干大人しく、味も薄れるのでもっと喉を通り易くなりますが、深さが殆んど無くなるのが残念です。自分的にはロックは奥深い味の物をそれだけでゆっくりと味わいたいので、少し趣向が違います。 水割りにすると、さらに喉越しが良くなり、そしてあの優しい甘さだけが際立ってきます。喉越しと甘さと料理の相性は抜群です。これほど料理と良く合う水割りも中々ないと思います。 最後にお湯割ですが、温めると少し喉越しが悪くなり、甘さも半減して今度はアルコールの刺激が強くなります。とは言え、これは平均レベルだと思いますが、持ち味の甘さと喉越しが死んでしまう様な気がします。 お勧めは、ヌル燗のストレートと濃い目の水割りです。 1.8Lが￥1800の焼酎にしては、かなりハイレベルで良く出来た焼酎だと思います。 |
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黒島美人 （くろしまびじん） 25度 黄金千貫・黒麹仕込み・常圧蒸留 長島研醸有限会社 鹿児島県出水郡長島町平尾387番地 同蔵：さつま島美人・だんだん・島美人35度 ←画像をクリックすると詳しい情報が見れます。 |
| この黒島美人は、さつま島美人の黒麹版との事で買って見ました。こちらも島美人同様に紙パックからビンまで色々な形態がありますが、35度の物は無いみたいです。 島美人と同じ様に5ヶ所の焼酎をブレンドしているのかどうかは僕は知りませんが、同蔵には、同じく黒麹仕込みのだんだんもあります。その違いは、だんだんは3年以上熟成させた原酒を元に造られ、黒島美人は1年未満の原酒から造られているそうです。 3年熟成のだんだんすら紙パックの物がある所を見ると、この酒蔵は結構物事を柔かい発想で考える合理主義な会社なのだと思います。あるいは自社の商品を晩酌使いの設定に据えて徹底したかのどちらかでしょう。 さっそく開封して1口飲んでみると、典型的な黒麹特有のこってりとしたコクとはっきりとした甘みを感じます。島美人はサラリと流れるのに対してこちらはまったりと舌に絡みつく感じだ！ この辺の味のバランスは数ある黒麹仕込みの中では丁度ニュートラル位置あたりだろうか。 味と香りは若いが旨味は充分にあり、すぐに晩酌には持って来いだと判断する。これに合う料理すら思い浮かぶ様だ！ 口に含んだ感じはそんなに辛口ではないので、料理と一緒にストレートでも普通にいけますよ！ ロックは少し大人しくなって、料理とは合わない様な気がする。どちらかと言えばこれだけチビチビやる方がこの焼酎には向いていると思う。 次に水割りだが、これもロック同様、大人しくなって水っぽさが浮いてくる。料理と全く合わない事もないが、氷を使わず多少濃い目に常温の水で割れば美味しいです。 最後はお湯割りだが、僕が直感したとおり黒麹の醍醐味が一気に花開く。口中が芋の香りにあふれ、じんわりと舌をなだめ、優しく喉を通り、お腹を温めながら下りて行く。やはりこの焼酎はお湯割がいい！これからの寒い季節には最高スわー！ 料理で言えば黒島美人はタレ味の焼き鳥なんかとすごく相性がいいです。 以上、晩酌使いを想定して説明しましたが、皆さん自分なりの飲み方で楽しまれれば良いと思います。 サラリとした島美人と、ややコッテリの黒島美人の2本があれば、晩酌はその日の料理や気分に合わせてこの2本だけで事足りてしまうのではないだろうか。 |
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伊佐大泉 （いさだいせん） 25度 黄金千貫・白麹・常圧蒸留 大山酒造合名会社 鹿児島県伊佐郡菱刈町荒田3476 同蔵：伊佐大泉 （この一銘柄のみ、立派だね！） ←画像をクリックすると詳しい情報が見れます。 |
| ご紹介するのは、明治38年(1905年)創業、大山酒造の伊佐大泉です。 この酒蔵は、鹿児島県北部の農山村、通称「伊佐地区」と呼ばれている伊佐郡菱刈町にあります。 「伊佐地区」は、芋焼酎の本場で、焼酎の発祥の地とも言われています。 この「伊佐地区」には、元々13社の酒蔵があったのですが、現在は3社だけになってしまいました。 13社の内、11社が集まって出来たのが「伊佐錦」の大口酒造協業組合、そしてそれに賛同しなかった残り2社が、「伊佐美」の甲斐商店と、この「伊佐大泉」の大山酒造だったのです。 時代の流れに流されず、しっかりと自分の歩むべき道を行く同社の姿勢はとても立派で、気合いが入っていますね！ この一銘柄のみに賭けた意気込みがそのまま商品となって表れています。小さな木造り蔵で、目の行き届いた量を丹精込めて造った物が美味しくない筈がないじゃないですか！ で、さっそく飲んで見ましたよ！ 生で口に含むと、優しい甘さ、餅を焼いた様な薄っすらと香ばしい香り、芋の持つ旨味が渾然一体となって押し寄せてくる。 程よく香る芋らしさと、甘からず薄からず丁度良い甘さのハーモニーが素晴らしい。 白麹仕込みでなので、さっぱりと円やかだが、意外と芋らしさが残っている焼酎ですね。この辺りは常圧蒸留が良い具合に表れていると思います。 なので、この焼酎はお湯割りがいい！ 僕は普段、お湯割りには黒麹の物を多く飲んでいるのですが、久々にお湯割りの美味しい白麹の物に出合いました。 白麹で、これ程までにお湯割りが旨い物は滅多に無いと思います。僕としては3重丸をあげたいです。 白麹特有の風味ですが、その味や旨味は濃く、甘さは中間かな。お湯割りが旨いので、料理とも相性が良く、お互いに引き立て合っていて晩酌が楽しみです。 またこの焼酎は、生は勿論、水割りにしても味が寝ぼけることなく美味しいです。あの香ばしい香りと甘さもや芋らしさもしっかりと残り、甘さも薄れないのが嬉しいです。 バランスが良く、どの飲み方でも美味しいですが、お湯割り、生、水割りの順にお勧めです。 さすがに芋焼酎の本場、激戦区を生き残って来ただけの事はある。2000円以下のリーズナブルな価格で、いつでも安心してくつろげる味は、これからも飲兵衛たちの良い相棒となるだろう。 小さいながらも激戦区を生き抜いて来た、真心と気合いのこもった本物の焼酎でした。 |
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| 雲海酒造株式会社 | 大手メーカーですが、昔ながらの製法で色んな種類の焼酎を造っています。 |
| 霧島酒造株式会社 | こちらも大手メーカーですが、他社とは違い近代的な設備で焼酎を造っています。 |
| 濱田酒造株式会社 | こちらも大手メーカーです。昔ながらの製法で色んな種類の焼酎を造っています。 |
| （有）佐多宗二商店 | 小規模ですが、まじめにまじめに土に埋めた大瓶で造っています。 |
| 佐藤酒造有限会社 | こちらは佐藤の白・黒で有名な蔵元のサイトです。 |
| 西酒造株式会社 | あの富乃宝山や吉兆宝山の蔵元のサイトです。 |
| 大海酒造 | くじらシリーズを造っている蔵元です。杜氏さんの日記などもあります。 |
| 霧島町蒸留所 |
明るい農村や農家の嫁でお馴染みの蔵元のHPです。 |
| 白金酒造 | 白金乃露の蔵元サイトです。焼酎の作り方をわかりやすく説明しています。 |
| （株）黒木本店 | あの有名な「百年の孤独」の蔵元サイトです。原料も自家栽培で作ってます。 |
| 八千代伝酒造株式会社 | 平成21年10月より（旧・八木酒造）より社名を変更しました。 |
| 櫻乃峰酒造（有） | 小さな酒蔵ですが甕仕込みで昔ながらの製法を守っています。 |
| 田崎酒造株式会社 | 銘柄は多くありませんが、真面目に造っておられます。 |
| 小川合名会社 | さつま芋を一旦干し芋にしてから仕込むと言う珍しい製法で造っています。 |
| 東酒造株式会社 | 従業員数30人規模の中堅的な酒蔵です。 |
| 大口酒造株式会社 | 地元で人気の焼酎、黒伊佐錦を造っている蔵元です。 |
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