★黒糖焼酎とは、
黒糖焼酎は、奄美群島のみで製造が認められた黒糖を主原料とした焼酎である。
奄美群島では、もともと沖縄からの泡盛と九州からの芋焼酎を移入して飲まれていたが、度重なる戦争で物資が不足して手に入らなくなってしまった。
そこで群島内では、さまざまな原料を使った酒が密造されたと言う。その中には黒砂糖を用いた物もあり、これが美味しいと広がっていったらしい。
黒糖焼酎は、他の材料を使った本格焼酎(旧乙類焼酎)と同じで、芋焼酎や米、麦、蕎麦焼酎などと同じ仲間である。
だが、黒糖焼酎は奄美群島のみでしか製造が認められていないのだ! 何故だ? 黒糖を使った醸造酒を蒸留できれば、どこで造ってもいいじゃないか?と言う疑問も浮かびますが、政府は奄美群島のみでしか製造を認めていない。
奄美大島開運酒造のHPには、「昭和28年(1953)12月の奄美群島日本復帰後、特別の措置として米麹を使用することを条件に奄美群島にのみ黒糖焼酎の製造が認められました。黒砂糖を原料として焼酎が製造されていた実績が斟酌されたためです。」と、記されています。
ここで少しおさらいをしてみよう、黒糖焼酎の原料は、(黒糖・米麹・酵母・水)である。この中で、無くても蒸留酒を造れる物がある。
そう、それは米麹だ。米麹は、他の焼酎に当てはめれば、芋・麦などのでんぷんを分解して糖分に変える役目をしているんです。でも黒糖は、そのまんま糖分なので、その必要がないのだ。
では、米麹を省くとどうなるか? なんとそれはラム酒になっちゃうんだな! 僕ならそれはそれでOKじゃん!と思うのだが、国税庁ではそうもいかないらしい。ラム酒みたいなスピリッツと焼酎とでは、その定義や税率などが全く違うからだ。
そこで政府は、一歩間違えればラム酒になってしまうこのややこしい酒を米麹の使用を義務付けて他の焼酎と同じ製法、扱いにし、ここだけにしか造らせない様に封印したのだ。
★黒糖焼酎を飲んでみた!
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れんと 25度
黒糖・米麹・常圧蒸留
株式会社 奄美大島開運酒造
鹿児島県大島郡宇検村湯湾字2924番2号
同蔵:紅さんご・うかれけんむん・開運伝説・FAU2009
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黒糖焼酎「れんと」を飲んでみました。「れんとLento」とは、「ゆるやかに、ゆっくりと」と言う音楽用語だそうで、タンクでの熟成段階で、ゆっくりとクラシックを3ヶ月間聴かせることにより、微細な変化を含む振動が効果的に熟成を促すそうです。
また、爽やかな青いボトルは、素晴らしい自然の残る宇検村の海と空をイメージした物だそうです。
同社のHPを見ると、酒造の他にもミュージアムや宿などのグループ展開をして町おこしをしておられるようです。
ストレートの1口目の感想は、スッキリと爽やかでクセがない!本当にクリアーな味で、元の原材料の風味はそんなに色濃く出ていないと思います。
でも、最後に薄っすらと鼻腔を抜ける香りは、ラム酒にも通じる黒糖のお砂糖らしい香りだな。それ以外のクセのある香りは殆んど感じない。 ただ優しい甘さを感じるだけだ。 グワッと喉が焼ける感じがしないので生でも充分イケる。
本命の飲み方は、やはりロックか水割りだと思う。ロックは静かに味わうのに丁度良い味だし、水割りは少々濃い目に作れば料理とも相性がいい。(これが一番かな・・・)
また、他の本格焼酎たちと比べクセがないので、カクテルのベースとして使っても面白いと思う。ライム・ジュースやグレープフルーツ
・ジュースなどで割っても美味しいと思う。
これはきっと、夏の午後に似合うんじゃないかな・・・ (女性にも受けると思う)
南の島を想わせるカラッとしてすっきりと爽やかな焼酎でした。
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