塗師やとは?

私は普段は山中塗りの仕事をしております
塗り物(漆器)の製作には多くの工程があり
古くから分業制が進んでおり各工程ごとに専門の職人さんがおられます。

木地師・・・木を轆轤(ろくろ)を使い鉋(かんな)と呼ばれる道具で木を削る職人
平筋、千筋、轆轤筋など多彩な飾り彫りなどを行うのも木地師さんの作業です。
使われる鉋は職人さん一人々手作りであり
他人の鉋は使えないほどシビアな物です。

下地師・・・木地師さんから挽きあがった木地に
木地固め、布張り、錆付けなどの下地作業を行います
錆とは漆、砥粉、地の粉、水を練り合わせたパテの様なもので
木地を保護し堅牢な漆器を作るに欠かせないものです

漆を塗る前の下地を施す職人。

塗師(塗師屋)・・・下地が仕上がった品物に漆を塗る職人
木地や下地の仕上げ方、漆の色、艶により
杢出し、木地呂、根来など多彩な塗りを施します。
私は漆を塗る塗師屋です。

蒔絵師・・・塗師により塗りあがった品物に対し多彩な技法で絵を描いていく職人
漆絵、蒔絵、沈金など様々な技法があり
使用される素材も金粉、銀粉、金箔などの貴金属から
螺鈿(貝)、玉虫、珊瑚などの素材まで幅広く使われます。

その他にも、沢山の職人さんがおられ
各職人の技術が一つの塗り物(漆器)に凝縮されているのです。
全ての工程で十分な技術が生かされる事で素晴らしい塗り物(漆器)が
完成するのです。

 

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