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  ギャラリー 伽羅    
香の伝播 香りを掛ける 訶梨勒(かりろく)

    第2回 作品入れ替え いたしました ご覧下さい

  
   斎藤゚子  さいとう れいこ

      和紙工芸作家      石川県在住

         和紙を使い折り雛、般若など創作
  
     1986年より
手もみ和紙を使い訶梨勒を創作
     現在に至る。




「談」 “梨勒”その言葉のひびき、その意、その姿にひかれて和紙で表現いた
した。これは私の遊び心でございます。古くから伝わります格調高い梨勒を生活の
中で“かりろく”としてどうぞお愉しみくださいませ。

訶梨勒  和紙で再現

梨の実に似せた白の綾織の袋で、室町 足利義政の時代より邪気払い
として書院などの柱に飾られた。
の実が薬用で12個入れ、五色の紐
で連結して袋の中に納められました。


 かりの実 (ミロバラン)

インドシナ半島などに産する落葉喬木で実が香薬として
諸病を治すと伝えられ奈良時代に鑑真和尚が日本に始め
てもたらしました。


かりの実をかたどった袋の中には十二ヶ月を意味する十二個のかりの実を入れ、うるう年は十三個の
実を入れます。また丁子、龍脳、桂皮などの香料数種類が納めてあります。陰陽五行を表わす五色の
組紐で稲穂を編み四季を表現しました。

   正式には白綾の絹の袋ですが、生地の雰囲気をなくさないように丹念にもみ込まれた
   手もみ和紙で、素材の持ち味を生かしたぬくもり、手ざわり、美しさを和紙で再現して
   おります。


     松重模様                  古代松模様
          時代とともにそれぞれ好みの柄で創られるようになりました。
紐結び

   一本のひもが織りなす結びに伝統美が存在しています。
   また、結びには神仏の御心が宿るという信仰があり、部屋
   に掛けると邪気を払い、身に着けると福を招くと言われており
   ます。時代と共に多種多様に発展し、実用と装飾を織り交ぜ
   今日に伝えられております。
   この梨勒には、封じ結びを使用しました。


   パステルオレンジ 金ぼかし模様

香り袋の歴史

天平時代に唐僧鑑真によってもたらされた香料は香薬として、また戒律を伝える仏教儀礼の一つとして
日本に伝授されました。仏典の戒律のおきての中に「香嚢」( こうのう ) があります。この香嚢は、携帯
として「くのえ香」 「えび香」と呼ばれ匂い袋の原点です。

時代の移行により、身に付けるかおり、焚きしめるかおり、部屋に懸けるかおり等用途に応じて形や香料
が多種になり連綿と今に伝播しております。

日本各地に今でも慣わしとして、節句や神事、慶事等に吊るすという所作事がよくあります。 
香り袋の原型で、清める、邪気を払う、祝うの願いを込めた依代の一種だったようです。
     
      
香嚢とは御帳台内を浄化するために柱にかける、合せ香を入れた袋



私の作ります梨勒も香り袋の一種として、また貴重な香の文化、和紙の文化があることを大事に
しながら多くの方々に
知っていただきたいと想います。
「お香の香りは私にとって心に安らぎを与えてくれます。部屋に梨勒を懸けておきますと夜の内に
邪気を祓い、きれいに清めてくれます。ほのかな香りは、清々しい気持ちにさせてくれます。」
           ご高覧ありがとうございました。     
斎藤゚子


      作品寸法 長さ 120cm  重さ 80g
        掛け緒部分 35cm 袋部分15cm×14cm 五色組紐部分 70cm 

         新年の飾り 新築祝 プレゼントにどうぞ 
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